どっちが有利?個人事業主と法人の違い
税務コラム - 2011年10月17日

法人を設立して開業する場合には、事業主は法人の役員として給与として収入を得る形になり、収入から役員の給与を含む必要経費(損金)を差し引いた後の利益(所得)に対して法人税がかかることになります。

法人税の税率は原則30%でそのほか事業税・法人住民税をあわせると実効税率40%強になります。また、資本金1000万円以下の法人な

どについては、年800万円までの所得について22%の法人税率で済みます。

(※法定実効税率 = 〔法人税0.3×(住民税1+0.173)+事業税0.096〕÷(1+0.096)≒40.86%)

法人と個人事業主としての税金を比較する場合、 所得税率5%~40% VS 法人税率30% で比較するだけでなく、住民税・事業税、法人の役員となった給与収入に対する税金、消費税などなどいろいろな条件によって、どちらが絶対有利と言い切れないため、専門家に相談することをお勧めします。

一つの目安として、個人事業主から法人化を検討するラインを考えた際に800万円の所得(収入-必要経費)を1つの基準として考えてみるのがいいかもしれません。

個人事業主が支払う所得税は累進課税率(5%~40%)が採用される為、所得額が多いほど税率が上がります。それに対し法人は法人税、法人住民税、事業税は定率で定められており、一概には言えませんが、個人で申告する場合と法人で申告する場合の基準として800万円前後がラインとして考えられます。

では、個人事業主のメリットを考えた場合、節税対策を考える際に重要なのが申告の方法になります。申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。

白色申告は、基本的に収入と経費の集計のみで足り、必ずしも帳簿作成を要しません。 その代わり控除がないという形になります。

青色申告には帳簿が必要ですが、「青色申告特別控除」というメリットがあります。

帳簿だけなら10万円控除、帳簿にプラスして貸借対照表を提出すると65万円控除が受けられます。

簿記の知識がなくても貸借対照表まで出してくれる会計ソフトがあり、個人で65万円控除を青色申告で行なっている方もいらっしゃいます。 青色申告については、原則として、当年3月15日までに届出が必要というのも考慮しなければいけません。(開業年1月16以後開業の場合2か月以内に届出必要)

ここまで見て、個人事業主がいいのか?法人設立がいいのか?を考えると 人を雇って、融資を受けたい、法人としか相手にしないという場合は法人を選択すべきと考えますが、費用も手間もかけなくていいという場合は個人事業主から始めるのもいいのではないでしょうか。

このコラムの執筆税理士

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