相続にかかる遺産分割手続きと相続税 その20
相続コラム - 2018年02月23日

「遺産分割問題(2)」

■遺産分割争いの背景

被相続人が不動産を保有していた場合、相続財産の総額に占める割合が高いケースが多く、相続人が多ければ多いほど、共有又は分割しない限り均等に分けることが困難になります。相続人のうち1人でも納得できなければ遺産分割協議を成立させることはできません。
また、昔のような家督制度に見られるように、長男が一切を相続することが一般的だった時代から、法律が整備され、個々の権利意識などの背景により、相続でもめるケースは増加の一途をたどっているようです。

■遺産分割協議が調わなかったら?

遺産分割協議が整わなかった場合、遺産分割の裁判行うことになります。
一般的な流れとしては、まず遺産分割調停を家庭裁判所に申し立て、適法に受理されると、裁判所が第1回の期日を設定し、裁判所選任の調停委員を間に入れて、相続人間で話し合いをしていきます。1回でまとまらなければ、話合いを継続していくことになります。調停が不成立になった場合には、審判に移行します。遺産分割の裁判は、裁判官が各相続人の主張や証拠に基づいて決定していくことになります。審理の平均期間は1年程度かかっているようです。(本シリーズ その19参照)但し、不服があればさらに抗告して、最終的に決定するまでに数年を要する場合は珍しくありません。

■遺産分割事件の背景

裁判所の決定に不服があればさらに抗告して、最終的に決定するまでに数年を要する場合は珍しくありません。3年を超えるケースが全体の5%弱あるようです。また、遺産分割争いは、一部のお金持ちの世界ではなく、遺産分割の財産額1000万円以下の調停が3割程度、5000万円以下で7割以上を占めているそうです。
調停・裁判ということになると、時間もかかり、申立て費用、弁護士費用などのコストもかさんできます。何より、これまで仲の良かった親族関係に大きな影を落とすことになるかもしれません。

■このコラムのポイント

  1. 不動産など分割しにくい財産がある、個々の権利意識などの背景から相続争うは増加傾向にある。
  2. 遺産分割協議が整わなければ、裁判所に調停申し立て、さらに審判に移っていきます。
  3. 裁判等に進展すると遺産分割は長期化し、少額で争われているケースは少なくない。

このコラムの執筆税理士

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