相続にかかる遺産分割手続きと相続税 その25
相続コラム - 2018年05月11日

「相続税対策編(4)」

■土地の評価額と時価

土地評価の元となる路線価は、公示価格の約8割と言われ、固定資産税評価額は約6~7割程度と言われています。
仮に8000万円(土地5000万円+建物3000万円)で自宅を購入したとしましょう。
この自宅について相続税評価額はいくらになるでしょうか。
路線価により、取得価格の8割と仮定すると、土地は4000万円、建物は構造にもよりますが、固定資産税評価6割とすると1800万円。
つまり、現金8000万円が相続税評価額では5800万円となり、差引2200万円に対する相続税が節税できることになります。

■小規模宅地等の評価減(居住用宅地等)

また、自宅について配偶者か一定の同居親族や非同居で持家に住んでいなかった親族など、一定の者が相続して相続期限まで引き続き居住している場合には、その敷地330㎡を上限に、80%減額となる制度があります。この場合、土地4000万円×80%=3200万円減額されると、この自宅の相続税評価額はさらに下がって、2600万円となります。
生活本拠として必要な自宅に相続税が課税されて売らざるを得ない、といったことにならないよう相続税課税上の配慮が、小規模宅地等の評価減という制度により、相続税課税上の配慮がなされていると考えられます。
もし持家の無い方が、将来自宅を取得して、さらに小規模宅地等の評価減に該当する場合には、自宅を持たず多額の現金を保有しているような方と比較すると、このように相続税上かなり優遇されることになります。

■相続税の評価額と時価

逆に今の自宅を売却してしまったらどういうことになるでしょうか。
先の事例の逆パターンを考えてみると、自宅を8000万円で売却すると、譲渡益に対して所得税等が課税されます。自宅には居住用財産譲渡の3000万円控除などいくつか特例ありますが、仮に特例等により課税されず8000万円がそのまま残ったとしてもそのお金は将来相続税の対象になるでしょう。
また、売らないにしても、親が介護施設に入居するなどして空き家となっている場合、小規模宅地等の評価減を受けられない場合もありますのでご注意ください。空き家問題が話題になっている近年ですが、自宅についてどう活用してくか悩まれている方が少なくないかもしれませんね。

■このコラムのポイント

  1. 不動産の相続税評価額について、原則として土地は路線価、建物は固定資産税評価額をもとに評価される。
  2. 居住用宅地等について小規模宅地等の評価減が適用されると、330㎡まで80%評価減される制度。
  3. 生前に売却するか、相続後に売却するか。相続税が変わってくるため事前に専門家にご相談を。

このコラムの執筆税理士

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