相続にかかる遺産分割手続きと相続税 その33
相続コラム - 2018年09月21日

「高齢化に伴う資産凍結リスク(2)」

■後見人制度

成年後見人制度を活用すると、本人に代わって後見人が財産の処分や資金の引き出しをすることができるようになります。預貯金の引き出しなども可能ですし、賃貸契約の更新など一定の契約行為の代理もできるわけです。
但し、この制度は本人の財産を守るのが後見人の基本的な役割なので、財産を運用することや、相続税対策のために財産を売ったり買ったり贈与したりということは基本的に認められません。
親族が資産運用や資産の組み換え、相続税対策を希望しても、許可が下りずほぼほぼ困難と言えるでしょう。

■家族信託

家族信託とは、財産管理の一手法で、本人が保有する不動産や預貯金等について、指定した家族に管理・処分する権利を移す仕組みです。本人が認知症等になった場合でも、管理者により財産の処分が可能となります。家族信託を実行するためには、管理者を定め、所有者(受益者)と信託契約を締結し、登記する必要があります。
認知症患者になった後では、残念ながら一連の信託契約や登記が困難となるため、家族信託制度を開始することはできないので、意思能力あるうちに、家族信託制度手続きをしておかなければなりません。

■いざという時に備えて

元気だった親が突然倒れて、寝たきりになるといった場合、預金を引き出そうにも、暗証番号を教えてもらえれば1日当たりの限度額の範囲でATMで引き出すことはできるかもしれませんが、セキュリティの高い静脈認証などはこういった場面では不便です。意思能力困難と判断されれば、資産の処分や各種契約行為も困難になります。
相続対策は思い立ったら、できるところからはじめる。相続人が複数いる場合、築きあげてきた財産をだれに託すのか。将来の相続税はどれくらいかかりそうか。
相続税がかかるようでしたら是非、税理士等専門家交えて検討していきましょう。

■このコラムのポイント

  1. 成年後見人制度により、後見人により、本人に代わって財産を管理・契約等が行われる。
  2. 家族信託により、指定した家族に財産の管理・処分する権利を移して、管理等を行われる。
  3. 意思能力なければ財産処分や資産の組み換え、相続税対策がほぼ困難なことを理解して、できるところから始めよう。

このコラムの執筆税理士

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