2020年度税制改正~税制改正大綱より その2
税務コラム - 2020年02月21日

「法人編 大企業の研究開発税制等の改正点ほか」

■大企業の研究開発税制の適用要件見直し

資本金1億円超の大企業の税額控除要件が厳しくなります。

① 研究開発税制その他生産性向上に関連する税額控除を受けるための要件のうち、【国内設備投資額>適用年度償却額×10%】だったものが【国内設備投資額>適用年度償却額×30%】に引き上げられることになります。

② 給与等引上げ及び設備投資を行った場合等の税額控除の要件のうち、【国内設備投資額≧適用年度償却額×90%】が【国内設備投資額≧適用年度償却額×95%】に引き上げられます。

設備投資額が増えてきている状況を鑑み、設備投資要件が引き上げられ、大企業にとっては税額控除要件がより絞られてくることになります。

■子会社からの配当と子会社譲渡を組み合わせた租税回避防止策

子会社から配当金をもらうと親会社は益金不算入(課税されない)となり、配当支払い後、価値が下がった子会社(完全子会社除く)を譲渡した親会社は譲渡損を計上することができる。
このような租税回避を防止するため、50%超の支配関係を有する特定関係子法人から受領する配当等の額が、特定関係子法人株式の帳簿価額の10%超の場合、受取配当等の益金不算入制度により非課税となる金額を、特定関係子法人株式の帳簿価額から減額されることになります。
これにより、子法人の帳簿価額が下がると、子法人売却の際の譲渡益が、簿価減額された分だけ増えることになり、節税できなくなる。但し親子会社双方とも内国法人・居住者等に保有されている場合には適用除外となります。
この改正の背景には、某大手通信会社が国外の企業を子会社した際に、上記のスキームで多額の節税が実施されていたことがあったようです。

■このコラムのポイント

  1. 大企業に対する税額控除要件のうち設備投資要件が引き上げられます。
  2. 子会社からの配当と子会社譲渡による節税スキーム防止策として、一定の子会社からの受取配当等益金不算入の適用を受けた場合、当該子会社株式簿価の調整が行われることとなります。

このコラムの執筆税理士

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